ズべレフのグランドスラム2勝を…ちょっと下げてみる

前回は女子テニスを見ましたが、ジェンダー平等に配慮して(?)、今回は男子テニスについて見てみます。今年はズべレフがグランドスラム2勝したのですが、ちょっと辛口にデータを見てみます。ファンの方々には申し訳ないですが。

ズべレフはまだランキング2位

今年の男子グランドスラムでは、全豪はアルカラス、全英はシナー、全仏と全米がズべレフと3人で分け合いました。アルカラスとシナーだけで全部を獲ってしまうと、ちょっと面白みがなくなるなぁ、とは思っていましたが、ここで伏兵のズべレフが2つを獲ってシナー、アルカラスを上回ってしまうという予想外の展開でした。

ただ女子ではルバキナが全豪と全米をとってランキングNo.1になったのですが、男子はというと、同じくGS2勝なのにズべレフはNo.2、依然としてシナーがNo.1となっています。

アルカラスは年の半ばを休んでしまい、また去年優勝の全米でもシェルトンにまさかの敗退ということで、ポイントを大きく落としてしまい、かなりズべレフから離されたNo.3となっています。この後のポイントの状況は分かりませんが、さすがに今年中のNo.1復帰は難しいでしょうね。

一方、シナーが復活してランキングNo.1を守りきるか、あるいはズべレフのNo.1奪取があるか、こちらのほうは楽しみな状況ではあります。

ランキング1位選手のグランドスラム獲得数

前回、女子でもやったように、ランキング1位になったことがある選手のグランドスラム・タイトルの獲得数を見てみます(2000年以降)。やはりフェデラー、ナダル、ジョコビッチのビッグ3が群を抜いています。フェデラーは全仏1回だけですが、それを除けば3人とも各グランドスラムを複数回獲っているわけです。

アガシも、全体回数では及びませんが、すべてのグランドスラムで勝っており、現在はアルカラスがこれを追っている状況。彼も生涯グランドスラムを既に達成しています。シナーは全仏のみを残す状況で、来年以降に期待というところです。

その下のほうを見ると、クエルテンとかサフィン、フェレーロ、ロディックなんていう懐かしい名前も出てきます。サフィンは前回見た、No.1でもグランドスラムを獲れなかった女子選手サフィーナのお兄さんです。フェレーロは少し前までアルカラスのコーチをやっていました。

ロディックは最後にグランドスラムをとったアメリカ人男子選手。彼以降、どうにもアメリカ人はタイトルに手が届きません。今年のシェルトンは、そういう意味ではアメリカ人の期待を一身に背負っていたのでしょうが、残念ながら一歩、届きませんでした。

No.1にならずにグランドスラムを獲ったのは?

逆にNo.1には届かなかったが、グランドスラムを獲った選手を見たのが以下のグラフです。2000年以降のタイトルに絞っています。選手名の横のカッコの数字は生涯の最高ランク、棒グラフ内の数字は当時のランキングです。

やはり前回の女子に比べると、いかにも少ないですね。最も多いのはワウリンカの3回、次いでズべレフの2回です。

一番目立つのはイワニセビッチで、タイトル時のランキングは125位!実際にはキャリアの最終盤で、この年(2001年)の大会には主催者推薦だったらしいですね。そこで勝ち上がっていき、決勝戦はラフターとの対戦に勝っての初タイトルだったようです。

次の低いランキングはコスタとガウディオで、それぞれ22位と44位での全仏優勝。以前も書いたように、やはり全仏って、昔は他のサーフェスで強い選手が必ずしも勝てず、ちょっと毛色の違う選手が活躍する舞台でした。

後はチリッチの16位。言うまでもなく、錦織と戦った全米決勝戦です。あれは本当に残念でした。そして全豪のヨハンソン、ほとんど記憶にない…。

でもズべレフって、上位に勝てていないのでは(汗)

で、実はここが今回の記事のポイントなんですが、ズべレフの優勝って、全仏はシナーが早期敗退、アルカラスが欠場、全米はシナー欠場、アルカラスの敗退という環境での優勝で、ズべレフ自身がトップ2からもぎ取ったタイトルとは言い難いんですよね。

全仏で対戦した最高ランク選手は決勝のコボッリ(14位)、トップ10とは全く当たりませんでした。全米でも決勝のシェルトン(10位)だけです。

そんなこともあってか、ちょっとネガティブなコメントが聞かれるのも事実です。フランスのコルネは、決勝戦について「純粋にテニスという点では、私には興味がない。夢を見させてくれるような決勝でもない」、ズべレフについては「ひたすらラリーする選手。何か生理的に受け付けないものがある」とまで言う始末。またマッケンローは、決勝戦のテレビ中継で、試合終了後「カルロス(アルカラス)とヤニック(シナー)、元気になってくれよ」と口にしたとか。

そこでズべレフにアルカラスとシナーを加えた現在の上位3人、それと参考までにビッグ3の対トップ10選手との対戦成績を見てみました。あまり若い頃の戦績を入れてもミスリードなので、自身がトップ10圏内にいたトーナメントでの戦績を比較したものです。左はグランドスラムでの戦績、右はグランドスラム以外の試合、グラフ内の%表記は勝率です。

どうでしょう、明らかにズべレフは他の選手に比べて、対トップ10選手との戦績が見劣りします。グランドスラムだと、他の選手は7割前後ですが、ズべレフは3割、非グランドスラムでも5割弱と負け越しになっています。

今年だけに限れば2勝7敗。勝ったのはシェルトンとフリッツのみ。シェルトンには1勝0敗、フリッツは1勝1敗、あとはアルカラスに0勝1敗、シナーには0勝5敗です。単にシナーが強すぎるということかもしれませんが、あまり見栄えがいいとは言えない結果です。

ズべレフを腐すわけではないですが、やはりシナー、アルカラスはもちろん、他のトップ10選手もガンガンに破って、「俺が王者だ!」という姿を見せてほしいものです。

タイトルとURLをコピーしました