女子テニスNo.1とグランドスラム

先日終わったテニスの全米オープン。ルバキナが優勝し、世界ランク1位になりました。グランドスラム・タイトルと世界No.1の同時達成という幸せな展開でした。

しかし過去のデータを引っ張り出してみると、世界No.1になれずにGSタイトルを獲った選手も、逆に世界No.1なのにGSタイトルを獲れなかった選手も見られます。ちょっと過去のデータを整理してみました。

祝ルバキナNo.1

以前もルバキナの戦績を使って記事を書いてしまいましたが、どうもあの戦意を全く見せずに淡々と勝っていくクールさが好きなんですよね。そんなわけで、全米優勝と世界ランク1位という展開に、何か簡単に書きたくなってしまいました。

まぁ、何か毎週書かないといけないので(誰に頼まれたわけでもなく、自分で勝手に決めたルールですが)、使いやすいデータがあるから、というのが最大の理由なんですけどね。

まず2000年以降のランキングNo.1選手の推移を辿ってみました。2000年1月時点の1位は懐かしのヒンギス。もちろん、この前から1位ではありました。途中ダベンポートに短期間、1位を譲り渡しますが、2001年10月まで1位を維持しました。

その後、カプリアティ、ウィリアムズ姉妹(まぁ、セレナの長さが目立ちます)、クライシュテルス、エナンと続き、近年ではシフィオンテクがかなり長期間1位に君臨してきました。23年10月に一度、サバレンカが1位になり、少し間をおいて24年11月以降、1位を維持してきましたが、ついに今回の全米優勝によりルバキナが1位になりました。ランキング制度ができて以来、30人目の1位だそうです。

果たしてルバキナが今後、長期間にわたって1位を維持できるか、どこかでサバレンカに取り戻されるか。過去を見ても、プリスコバやムグルザのように、数週間しか1位に留まれなかった選手もいますので、頑張ってほしいものです。

ランキングNo.1とグランドスラム

当然、グランドスラムというのは獲得ポイントが大きいので、歴代のNo.1選手の大半はグランドスラムも獲っています。ただそうじゃない選手も中にはいます。年間を通してコンスタントに勝って、ポイントを積み重ねるのに、なぜかグランドスラムには嫌われてしまう選手で、「無冠の女王」的な言い方をされてしまう可哀そうな選手たちです。

以下、2000年以降のNo.1選手のグランドスラム・タイトルの数を並べてみました。やはりセレナがあまりにも突出しているのは、さすがに見事。全部で23回も優勝しています。しかも全グランドスラムで優勝経験ありという生涯グランドスラムも達成しています。

この中では他にシャラポワのみですね。もちろん、もう少し時代を遡れば、グラフやナブラチロワ、エバートなど、全部で10人の選手が達成しているらしいです。

ルバキナは全仏を獲れば、生涯グランドスラム達成です。シフィオンテクも、あと全豪のみです。一方、サバレンカは全英、全仏を残しているので、ルバキナ、シフィオンテクのほうがゴールには近いと言えそう。

一方、No.1プレイヤーなのにグランドスラム・タイトルがないのがプリスコバ、ヤンコビッチ、サフィーナの3人。ウォズニアッキも無冠だと思っていたのですが、キャリア最終盤に全豪を獲っていたようです。完全に忘れていました、申し訳ない。

この人たちがグランドスラム・タイトルにどこまで近づいていたのか、誰に負けたのかを見たのが以下のグラフ。この3人がランク4位以上でグランドスラムに臨んだ試合での最終的な負けの記録です。横軸は負けた相手のランキング、カッコ内がラウンドです。なお対戦相手が赤字になっているのは、自身がNo.1で臨んだ試合です。

サフィーナは上位にいた期間が短かったのでしょう、4位以上で臨んだグランドスラムは5回だけですが、決勝2回、準決勝までは1回進んでいます。負けた相手もランキング上位なので、惜しいとは言えますが、やむを得ないとも言えます。一方、早いラウンドで負けた相手としては、2009年の全米クビトバは72位。まだ駆け出しの頃で当時のランクは低かったようですが、大金星でした。

ヤンコビッチは13回、プリスコバは11回のグランドスラム出場ですが(ランキング4位以上のケース)、ヤンコビッチは決勝1回のみ(ただし準決勝は4回)、プリスコバは決勝まで行けなかったみたいですね(準決勝1回のみ)。

何が彼女らの敗因なのか、もう少し踏み込めればいいのですが、面白い分析の視点が思いつきません。まぁ、テニス自体については素人だし、許してください。

逆にNo.1にならずにグランドスラムを獲ったのは?

上記の選手たちとは逆に、No.1まで行かなかったがグランドスラムを獲った選手を見たのが以下のグラフです。選手名の後のカッコ書きの数字が生涯での最高順位、棒グラフ内の数字は試合当時のランクです。もちろん現役選手の場合は、まだこの後、ランクを上げる可能性はあります。

最も低いのがラドゥカヌ。これまでの最高ランクは10位、全米優勝時のランクは150位でした。確かラドゥカヌは予選上がり、準優勝のフェルナンデスもノーシードでした。この年はコロナの最中の試合だったため、ちょっと特殊だったかもしれません。

次に低いのは、スティーブンスの83位。この時の相手はマディソン・キーズだったようですが、正直、ほとんど記憶にありません。年齢による記憶力の低下か、それほど熱心でないだけの話か…。なお、そのキーズも20位で全豪を優勝していますね。

他に出場当時のランキングで言えば、クビトバの30位台、オスタペンコやボンドロウソバの40位台での優勝もあります。

このようにランキング2桁台でグランドスラムを獲った選手も多くいますが、みんな生涯最高ランクでは10位以内なので、ちゃんと実力はあったと言っていいでしょう。ビッグ3や、最近で言えばシナー、アルカラスがほとんどのタイトルを獲る男子テニスよりも、全体の力量の差が小さいということでしょう。

個人的に非常にイヤなのは、グランドスラムを獲った直後に引退する選手。仮に負けるとしても、ディフェンディング・チャンピオンとして必死に汗かくまでが仕事だろうと思ってしまいます。この中ではバルトリとペンネッタですね。「棚ボタ」っぽい優勝を1回だけやって(それも失礼な言い方か)、それを守る努力もせず、「私は女王よ」みたいな態度をとるのは、どうも許せんのですな。エナンやバーティ―も形だけからいえば、そう言えますが、ランキング1位かつ複数回のグランドスラム優勝の末の引退なので、これらは許せるのですが。

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