アメリカ人が外国について考えているコト~これ見ると、日韓関係大丈夫かと心配になる

今回は完全な暇つぶしです(ま、普段からですが)。ネットで見つけた、アメリカ人が外国に対してどんなことを思っているかという疑問のリストを見ます。それほど追加的な分析はできないのですが、地域別の傾向などを探ってみようと思います。

やっぱりアメリカ人はスポーツが好きな様子。でも意外にも、外国の細かいことまで知識を持つ人も多いようです。懸念は日韓関係…?

アメリカ人の質問!

以前、調べ物をするためネットを彷徨っていたところ、「How America Sees the World: The Most Common Questions Americans Ask About Other Countries」という記事を見つけました。元記事のリンクは切れているようなのですが、それを転載した記事はここで読めます。

元の記事は2023年2月のものですが、アメリカ国内からの世界各国についてのグーグル検索「Why does [country]…?」で、最も多い質問事項が何かを調べた結果のようです。以下のような地図にまとめてくれています。

私の記事は、何かデータを引っ張ってきて、それを少し分かりやすく可視化して説明するのが主な目的なのですが、まぁ、この地図自体がよくできているので、特に私が何か付け加えることもありません。

と言ってしまっては身も蓋もないので、これを少し分類してみます。各質問を、私の全くの独断でタイプ分類してみました。例えば「なぜ中国は台湾を欲しがるんだ」という質問なら「二国間関係」、「なぜカメルーン人はフランス語を話すんだ」なら「言語」といった具合です。

私が勝手にラベル付けをしたものなので、正確さは保証できません。

例えば「なぜオーストラリアは緑と金を着るんだ」とか「なぜオランダはオレンジを着るんだ」みたいな質問があり、最初は何を聞いているのか解釈に迷ったのですが、これはワールドカップなどでのユニフォームの色なのだなと理解し、「スポーツ」に分類しました。

また「なぜウクライナはNATOに入りたいんだ」という質問は「政治」に分類しています。他に「軍事」というラベルも作ったのですが、こちらには「なぜインドネシアは潜水艦を持っているんだ」という、より直接的な軍事問題に限定しました。

こんな感じで、かなり曖昧な分類もあることはご承知ください。

世界全体の傾向

まず世界188ヵ国を、この分類で分けた国数を見ます。

ただどういう訳か、United Kingdomと並んでWalesやScotland、Northern Irelandも国として出てきています(Englandはありません)。イギリス人がそうするなら分かりますが、なんでアメリカ人が、という感じはあります。やっぱりサッカー・ワールドカップが背景なんでしょうかね。

まず一番多いのは「二国間関係」で28ヵ国。ここには中台関係や印パ関係などの分かりやすいものに加え、やはり幾つかの国でアメリカとの特別な関係に関心があるようです。ウガンダやツバルへのアメリカの援助、ミクロネシアやマーシャル諸島との政治的近さの質問もありますし、「なぜベトナムはアメリカが好きなんだ」という質問もあります。

次いで「言語」が23カ国で続きます。その大半が「なぜこの国がフランス語/スペイン語を話すんだ」という質問で、まぁ、あまり面白くはない。

続く「社会」のほうは、もう少し勉強の跡が見られます。「なぜ〇〇は癌の発症率が低いんだ」「なぜ××は平均寿命が短いんだ」等、各国についてある程度の知識がないと出てこない質問が多く見られます。後で地域別の傾向も見ますが、言語とともにアフリカで多く見られる質問です。

かなり飛ばして、下の方に「存在」というカテゴリーを作りました。これはどういう分類ラベルを付けるか迷ったのですが、スワジランド、アンドラ、東チモール、リヒテンシュタイン、北マケドニアの5ヵ国について、「なぜこの国は存在するんだ(Why does xxx exist?)」という、一体何を言いたいのか分からない質問です。

まぁ、国の成り立ちのようなものを聞きたかったのかもしれませんが、こういう質問の仕方がトップになっているというのは、よく分かりません。

地域別の特徴

地域別で何か特徴があるかと思い、上のグラフを地域で分けてみました。

北中米、南米というのは国の数も少なく、突出して多い質問もないので、ちょっと特徴は分かりにくいです。

中東・中央アジアも少なめですが、二国間関係が多いのは、やはり中東地域での仲の悪い関係が大半です。ひとつだけアルメニア=アゼルバイジャンの関係も入っています。

一方、アフリカは社会と言語が突出(上述の通り)。社会は平均寿命、出生率、癌、結核といったもの、言語はほぼフランス語(カーボベルデはポルトガル語)の質問です。

ちょっと笑えたのは、国旗の質問が3つあるのですが(スポーツ中継で見たのかも)、「なぜアンゴラは共産党の旗なんだ」「なぜモザンビークはAK47を国旗に載せているんだ」というもの。両国の国旗は知りませんでしたが、確かにそういう感じです。ちなみに残るひとつは「なぜリベリアはアメリカ国旗なんだ」。ま、これは不思議ではないですね。

アジアでは、圧倒的に二国間関係。うち4件がアメリカ絡み、2件が中国絡みです。またひとつ日本絡みがありますが、これは後述。自然の5件は、地震、洪水等とともに、ラオスで「なぜラオスにレッサーパンダがいるんだ」というものも、一応、自然に分類しておきました。しかし、これがラオスに対する最大の疑問というのは、背景が不明。

最後にヨーロッパはスポーツが第1位。サッカー関係(ユニフォーム関係だろうと思われるもの)が多いのは、分かる感じはします。二国間関係と政治が、僅差で続きます。二国間関係では6カ国中4カ国がロシア関係、アルバニア対セルビアがひとつ、残るひとつが「なぜブルガリアはトルコを嫌うのか」です。

正直、私はこの問題は知りませんでしたが、恐らくオスマン帝国の名残なのか、ブルガリアにはトルコ系住民が多く、移民問題として影を落としているのかもしれません。

政治については独立問題、NATO加盟問題、また「なぜモナコには王がいないんだ」という質問。そんな訳ないだろう、モナコには王室があるはずと思ったら、確かに「prince」であって「king」ではないんですね。いやぁ、勉強になった。

やっぱりヨーロッパが一番、質問内容としては面白い感じがします。

ところで日本は?

当然、気になるのは日本についての質問なのですが、これが全く面白くない。「なぜ日本で自動車は左側通行なんだ」だそう。これはイギリスも同じ質問です。おいおい、こんだけ色々と行き来もある日本やイギリスで、これが質問のトップかよ、と気が抜けてしまいます。

また日本絡みで非常に気になったのが、韓国についての質問。「なぜ韓国は日本を嫌うんだ」がトップだそうです。K-Popでも韓国映画・ドラマでも、あるいは北朝鮮関係でもなく、トップの質問が「日本嫌い」って、そんなのありかよと思ってしまいます。

まぁ、記事が2023年初めということは、まだ韓国の政権が文在寅から尹錫悦に移った当初の傾向(2022年5月に交代)。当時であれば、そういうニュースもそれなりに海外で流れていたのかもしれません。

とはいえ、アメリカの普通のニュースでは、ほとんど海外の話題など出ません(戦争関連は除いて)。大半のアメリカ人にとって、「世界=アメリカ」です。そのアメリカ人が、韓国が日本を嫌っていることを知っていて、それが「なぜ?」のトップに来るというのは、ちょっと危惧されます。

来月の韓国大統領選挙では李在明の当選可能性が高いですが、またこういう状況になるのかと、少し気分が暗くなります。

変な質問も多いが…

国によっては妙な質問も。例えば、こんなものがあります。

  • 「なぜトンガの郵便は時間がかかるんだ」→太平洋の島国だから、当然時間は少しかかるだろうけど…。
  • 「なぜオマーンはビザの申請時に私の婚姻状況を知りたがるんだ」→オマーンへの旅行者が多かった年なのか?
  • 「なぜスロバキアは俺に電話をかけ続けるんだ」→多分、スロバキア発の詐欺電話が頻発した時期なんでしょう。
  • 「なぜチリはマルーン5を嫌うんだ」→知るか。一体何があったんだ?

因みにアメリカの各州についても、同じような分析をしたようです。分類的には政治がトップ(すべて大統領選挙関連)、次いで経済(税金関連が多い)等となっています。実は個々の質問内容では、世界よりも、こっちの方が面白い。

  • 「なぜモンタナでは婚姻時に血液検査が必要なんだ」
  • 「なぜワイオミングでは道路が赤いんだ」
  • 「なぜアラバマでは宝くじがないんだ」
  • 「なぜハワイはスパムが好きなんだ(※コンビーフのような缶詰のほうでしょうね)」
  • 「なぜアーカンソーは変な臭いがするんだ」
  • 「なぜノースカロライナは変な臭いがするんだ」

アーカンソーとノースカロライナの州民、これを見て怒らんか?

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